ワインボトルの撮影と映り込みとの格闘(Sunset Cellars)

2021年6月20日 Kazuyuki Motoyama / @kudakurage

Sunset Cellars 2021夏の配送

こんにちは、Spinners の元山 (@kudakurage) です。

去年より友人のワイナリー(Sunset Cellars)のお手伝いとして、ワインラベルのデザインをしてサポートをしています。最近ではそれ以外のグラフィック部分に関してもより良くしていくために、お手伝いできることはできるだけ関わって、徐々にですが改善していっています。

オーナーズ・クラブ向けの配送にはワインカードとして、その季節の配送でお届けしているワインの情報などを記したカードを同梱しています。こちらのデザイン等にも手を入れて改善していっているのですが、その一つとしてワインカードなどに使用するワインボトルの写真撮影も少しずつ改善していっています。

配送に同梱しているワインカード 配送に同梱しているワインカード

今回は、ワインボトルの撮影時の工夫や苦労などについて書いてみようと思います。とはいえ私はプロのカメラマンではないので不足な部分もあるかもしれませんが、もしもっとこうしたほうが良いよなどのアドバイスがあれば、お気軽に教えていただけると助かります!

ホワイトバックの物撮り

基本的にワインの生産はカリフォルニアで行っていますが、ラベルの作成は日本の印刷会社でやっていることもあり、USから送られてきたワインに日本でラベルを貼って出荷するということが多くなっています。

そのため、ウェブサイトやメールなどで掲載する写真や同梱しているワインカードの写真の撮影を日本側でする必要があり、日本にいるメンバーとして私が担当するようになりました。

当初はすごく汎用的な写真をということで、物撮り用の撮影ボックスを組み立てて撮ったホワイトバックの撮影をしていました。これはこれでもちろん雑に撮ったモノよりもきれいに撮れますし、ラベルも見やすくしっかりと映るので良かったのですが、やはり少しさみしい感じというのか、無機質な感じはします。

Amazonで購入した撮影ボックス SAMTIAN 83x83x83cm 超大型撮影ボックス 4色背景シート

それと、ブースのLED照明の感じやブース内の映り込みの感じが逆に不自然に見えてしまう感じもあり、これはこれで逆に難しかったりします。(いつも白テープを使ってフレームなどの映り込みを消したりしてます。)

物撮り用の撮影ボックスで撮影した例 ある程度レタッチで処理しても、やっぱり映り込みが気になる…

シチュエーションやイメージに合わせた物撮り

メンバーから送られてきた写真 メンバーから送られてきた写真

撮影ボックスでの撮影を試行錯誤している頃、ワインに関連したアイテムと一緒にボトルを撮影している写真はどうかと他のメンバーから送られてきまして、それ以降私もその方向性で撮影をすることにしました。

まずはPinterestやGoogle画像検索などで、こんな感じに撮りたいと思えるような写真をたくさん集めてきてイメージボードを作成しました。どんな感じで撮ろうかというイメージを膨らませつつ、撮影のための小道具など、どんな物が必要そうかを検討していきました。

最初の撮影前に作っていたイメージボード 最初の撮影前に作っていたイメージボード

普段撮影をしているSpinnersオフィスは普通の家ですので、そのままだといい感じに撮ることはできない。なので、今まで持っていたアイテムも使いつつ、新しく小道具なども仕入れて部屋の中に仮の撮影用スタジオを組んで撮影しています。

部屋の壁そのままに撮影すると家感がすごいので、撮影用の背景シートなどをフルに使っています。

撮影用背景シート 背景シートもAmazonでいろいろ買えます

シートの場合、自立しないので壁に貼るなど工夫が必要ですが、組み立てて自立する背景ボードもあります。ただシートに比べて少し小さめなので引き気味で撮るのには向いていません。

撮影用背景ボード 撮影用背景ボードなら自立するためのパーツがついてる

背景シートは、アイテムの後ろ側の背景に使う分にはほとんど気にならず使うことができますが、下に敷いて使用する場合は気になる場合があります。特に木板のようなテクスチャのシートは、凹凸感があるような見た目なのに平面的な見え方になってしまうので違和感を感じやすいです。

そんなわけで、最近は下に敷く用の本物の木板を購入して、それを使ってみたりしてます。木板は足場板古材というのがAmazonにも売っていて、古材なのでいい感じに使い古している感もありとてもおすすめです。

足場板古材 いい感じのサイズで4枚セットで足場板古材が買える

他にも雰囲気を出すための植物はフェイクグリーンを使用することもあります。ぶどうの葉っぱやオリーブの実がついたグリーンなどから、場合によってはそのワインの香りに関連した花のフェイクを使うこともあります。

フェイクグリーンもいくつか持っています フェイクグリーンもいくつか持っています

それ以外の食材や料理に関しては本物です。場合によってはその都度ローストビーフなどを仕込んだりして撮影アイテムとして使っています。(食材は撮影後にまかないとしてオフィスで提供されています)

正面から撮影する場合はアイテムを単純に並べると平坦に並んでいる印象になってしまうため、立体感や奥行き感を出すためにも、奥に配置しているアイテムは台の上に置いて高さを出したり、かなり手前に置くアイテムも用意して、あえてぼかして奥行きを感じられるようにしています。

のべっとせず立体感を感じられるように配置している のべっとせず立体感を感じられるように配置している

食材に使用するお皿や器は、乗っている食材がきれいに見えるようにカメラ側に少し傾くように台を噛ませていたりもします。(少しやりすぎて不自然に見えてしまっていることもあるので、気をつけたい)

ワインカードで使用しているような真上からの撮影の場合はそこまで細かく考えて配置はしていませんが、最終的にトリミングされることも意識に入れつつ、彩りなど全体としてバランス良く調和するように配置しています。

ワインカードのために撮影したボトル ワインカードのために撮影したボトル

映り込みとの格闘

物撮りをメインとした撮影で個人的に最も難しいと感じているのがライティングです。露光や被写界深度、フレーミングなどに関してはある程度手元で試行錯誤できるのに比べて、ライティングに関しては本気でやろうと思うと割と大掛かりな環境のセッティングが必要になってきます。

単純な物撮りの場合は、そこまで細かく考えないで撮影してもキレイに撮れるのですが、ワインボトルのようなガラス製品や反射しやすいアイテムの場合は大変です。ガラス製品でも透明なだけならばまだ反射や映り込みが少ないですが、ワインボトルのように黒い場合は反射や映り込みがすごく目立つので、何も考えずに撮影すると大概なにかが写り込んでしまいます。

普通に撮るといろいろと写り込んでしまう 普通に撮るといろいろと写り込んでしまう

それをなくすためにも先程書いた仮の撮影用スタジオを部屋の中に組んでいます。

部屋の中に組んだ仮の撮影用スタジオ 狭い部屋の中に最小限の撮影用スタジオを組んでいる。背景とかで使う暗幕を多用

基本的には部屋の中にフレームを組んで、暗幕を覆って仮の撮影用スタジオとしています。前後左右に天井も含めて暗幕で覆うのですが、窓側だけは白の布を使用して自然光を利用した撮影をしています。

本当は全部暗幕にして照明でコントロールできるのが理想ですが、狭いスタジオと限られた機材ではキレイな環境光を作り出すのが難しいので、今は自然光を使って撮影しています。

自然光を利用して撮影 基本的には自然光を利用して撮影している(時々、レフ板や照明も使う)

前後左右の一面だけ白布で光を取り入れているので光の反射ラインはキレイになります。ただし、天気が悪い場合や夕方頃になると光量が足りなくなってしまうのできれいに取れないというデメリットもありますが…。 カメラは望遠気味のレンズでズームして歪みが少なくなるように撮っているので、レンズ部分以外は(自分も)暗幕で隠れるようにして可能の限りボトルに写り込まないようにして撮影しています。

そこまで頑張ってまだどうしても気になる映り込みがある場合は、撮影後のレタッチで修正しています。最近はPhotoshopに「コンテンツに応じた塗りつぶし」があるので、この手のレタッチがラクですね。(前はスタンプで地道に消していたものが、選択して一発でだいたい違和感なくキレイになるので)

普通に撮ったものから、仮の撮影用スタジオで撮ったものを比べて 比べてみると全然違う。光がコントロールできると照り返しのラインがキレイ

こんな感じで毎回セットを組みつつ食材やアイテムも用意して、場合によってはレフ板も持ちながら撮影もしてと、一人でやっているので一日作業です。(できるだけ明るいうちに撮影し終わりたいので、前日からセットを組んだりしているのでなんだかんだ全部終わるまで2日間くらいかかってます)

ちなみに少し前に書いた「Sunset Cellarsのメインラベルデザイン」という記事でトップに使用しているボトルを並べた写真は、背景用のシートや木板こそ使用しているものの、かなり手を抜いて撮影しているため窓枠の映り込みが入っています。

以前の記事の写真は手抜きでした 以前の記事の写真の手抜き感が透けて見える…

Sunset Cellars いかがですか?

今後もより良い体験を提供できるようデザイン面含めて改善していきます。Sunset Cellars は「ツタ主」という面白いバイン・オーナーズ・クラブ(定期購入)も提供していますので、もし興味を持った方はぜひご覧いただければと思います。

Sunset Cellarsのデザインに関しては、デザイン系ポッドキャスト resize.fm や、そのアフタートーク(YouTubeのみで配信)でも時々話しているので、もしよかったら聞いてみてください。

Kazuyuki Motoyama
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