アウトドア・ワークのすゝめ

2022年5月20日 Kaz Motoyama / @kudakurage

アウトドアワーク

私がこんなことを始めたのは、もうかれこれ6、7年前のことです。当然その頃にコロナはありませんでしたし、会社員はオフィスで働いて、フリーランスやノマドワーカーもカフェで働くというような時代であったと思います。

私はその頃まだまだフリーランスになりたてで、自宅で仕事をしてみたり、相手先のオフィスにお邪魔をして仕事をしてみたり、はたまたカフェで仕事をしてみたりということがほとんどだったように思います。

ただそういうローテーションもいつかは飽きというものがやってきて、はてさてどうしたものかと思いながらも日々の仕事をするのでした。

そんなとある日、その日は非常に気持ちのいい天気でした。こんな日には仕事もしないでのんびり日向ぼっこ、ビールを呑んで昼寝でもしたいものです。そんな気持ちから私はオフィスでもなくカフェでもなく公園に行くことにしたのです。

平日の昼間に公園にいるなんていつぶりだろうか。そんな気持ちよさと適度な雑踏の中で気持ちよく仕事ができたのを覚えています。

それからというもの私はこの活動をアウトドアワークと名付けて、今この文章を書いているときも続けてきたのですが、何年も続けてきて私なりの考えも出てきたのでそれをまとめようとこの記事を書いています。

実を言うと、コロナが流行る2019年末〜2020年にはこの記事を公開しようと書いていたのですが、外出規制なども出る中、流石にこんなものを出せるような雰囲気ではなかったので、ずっとお蔵入りとなっていました。最近では、少しづつ意識も変わりつつあり、マナーはありつつも外出しストレスを発散することも必要だという風潮であるように思います。

なので、この記事も積極的な外出イベントを助長するものというより、ひっそりと自然を楽しみながら気持ちよく仕事をする方法として読んでいただければと思います。

アウトドア・チェアを持って出かけよう

アウトドアオフィス

屋外の自然の中で仕事をすることをアウトドア・ワークというように、その仕事をする場所のことをアウトドア・オフィスと呼んでいます。

アウトドア・オフィスはあなたが気持ち良いと思える場所ならどこでも良いのです。海辺や山の中はもちろん、公園でも、ちょっとした木陰でも、家の屋根の上でも(怒られないようにして!)。

田舎町であればそれは容易に探せるでしょうが、都会の街にも探せば意外と見つかるものです。地図を見てみれば大小いろいろな公園が実はあって、こんな場所があったんだと思うことも多いでしょう。普段は気にもとめていなかったのに、探してみるとこんなところがあったのかと思うことは結構あるものなのです。

そして、気持ち良いと思える場所をさがすときに重要なのが「椅子」の存在です。アウトドア・オフィスにおいて唯一のプライベート空間となるものがこの「椅子」です。

実はこれは随分と前にそれに関連した記事を書いていて「すこし座れる場所があれば」の中でもその重要さについて話しています。

一部をかいつまんで書くと、公園でも川辺でも気持ちが良くて人気のスポットには大概ベンチが置いてあったりします。おそらく、ここで座って休めたらさぞかし気持ちが良いだろうと思った誰かが置いたのでしょう。しかし、そういった場所は多くはないため人気スポットだったりします。

つまり、いつも空いてるとは限らなかったりするのです。自転車を漕いでせっかく遠くの気持ちよさそうな所まで来たのに、座る場所が空いてなかったとあっては嫌でしょう。

そこで私はマイチェア(アウトドア・チェア)を持っていくことを勧めています。気持ちが良くてベンチがある場所は少ないですが、気持ちが良くてベンチがない場所は少し探せばたくさん見つかるのです。そんなときはマイチェアをどかっと置くだけで、自分だけのプライベート空間、プライベートオフィス、プライベートガーデンの出来上がりです。いつからかこういうのをチェアリングというんだと誰かしらが言い始めましたが、それほど椅子があるかないかと言うのは気持ちよさにも仕事の効率にも影響してくるのです。

ちなみに私が最もおすすめしている椅子はHelinoxというブランドのアウトドア・チェアで、値段は多少高くもありますが、非常に良くできていて、丈夫で、持ち運びしやすいのでおすすめです。私も最初に買ったこの椅子を7年たった今でも買い換えずに使っています。

ヘリノックス・チェア コンパクトなものから背もたれの付いてるものまでいろいろなタイプの椅子がある

煮詰まったら秒で散歩

アウトドアオフィス

アウトドア・ワークのいいところは、仕事や考え事に煮詰まったときすぐに散歩をできるというのもあります。過去の偉大な著名人たちもそうしていたように、歩きながら考え事をすることはより創造的になれるという研究結果もあります。

つまり創造的な仕事において、ストレスがないことと同じくらい身体を動かすことも重要で、それがすぐにでもできるアウトドア・ワークは最高です。

散歩はいつもと違った視点を与えてくれます。その時考えていることや感じている感情に応じて世界や自然は違った見え方を与えてくれるのです。身体を動かすことで逆に他のことに良い意味で無関心になり、リラックスして集中して考えることができたりと禅やマインドフルネスにも通ずるようなところがあるように思います。

インターネットは基本ない

アウトドアオフィス

アウトドア・オフィスにはもちろん快適なインターネット環境はありません。ただそれをメリットと考えるべきです。よく言うようにインターネットに多くの誘惑があるため、そのせいで集中できなかったという経験がある人も多くいるでしょう。

ですが、アウトドア・オフィスにはそもそも基本的にインターネット環境がないため、それを気にする必要はありません。こういった環境を変えて割り切ることは重要です。

もちろんどうしてもインターネットが必要な場面が出てくることもありますが、そういうときはスマートフォンのテザリングでしのぎます。一時期そのためにモバイル回線の通信量をかなり多めに契約していたこともありましたが、結局そこまで使わなかったのと、インターネット環境が便利になりすぎてしまっても本末転倒だと言うことから、今は安いプランにして、ほとんどテザリングを使うこともありません。

ちなみにテザリングをするときにはファイル同期系のアプリケーションに注意が必要です。最近ではアプリケーションも含め自動的にデータを同期するのが前提となったものが多くあるので、意図的にオフにしないと、気づいたら通信量がすごいことになっていたということもあるので。

とはいえ、どうしてもインターネット接続が必要な仕事もありますから、そういった仕事はオフィスで済ましておきましょう。アウトドア・ワークをするときには考え事をするときや集中して個人のデザインワークをするとき、執筆やポッドキャストの編集をするといった作業をすることがほとんどです。

ちなみに都会の公園にはフリーWiFiが利用できる場所もいくつかあったりしますが、基本的に使い物にはなりませんし、セキュリティ面でもよくない部分があったりしますので、オススメはしません。

アウトドア・ワークは5月がベスト・シーズン

アウトドアオフィス

アウトドア・ワークは屋外で仕事するわけですから、気候にものすごく作用されます。

もちろん雨の日にはできませんし、寒い日や、とんでもなく暑い日にも流石に効率的と言えるような仕事はできません。そういう意味で実はアウトドア・ワークに適した季節や気候は日本の場合多くはありません。

アウトドア・ワークに適しているのは主に春と秋で、ようやく暖かくなってきた3月末〜梅雨入り前までか、暑さが和らいできた9月頃〜11月初旬頃までがシーズンとなります。

とくに私のオススメは春の3月末〜梅雨入り前までで、3〜4月は梅や桜といったお花見を楽しみながら仕事ができますし、5月は適度に暖かくジメジメもしていないカラッとした気候で最高の季節です。(そのことから私は日本で一番好きな季節が5月になりました。)

ただ花粉症の方は辛いかもしれませんね。ひどいときにはディスプレイに花粉が積もっているのがわかるぐらいのときもありました。

秋の9月頃〜11月頃もシーズンではありますが、春に比べて虫(蚊など)が多めという難点もあります。また注意点としてこの季節はチャドクガという蛾の幼虫(毛虫)が発生する時期でもあり、この幼虫の毒毛が風でとんできたりもします。チャドクガはお茶の木などのツバキ科の葉に発生することが多いため、そういった植物が多いところは避けたほうが良いかもしれません。 3分でわかる!チャドクガの生態と刺された時の対処法<画像あり>【専門家監修】

部屋の中のアウトドアオフィス

ちなみに私のオフィスでは、そんなアウトドア・ワークがオフシーズンのときや雨の日でもそういった気分が味わえるように、一室に人工芝を敷いてアウトドア・チェアを置き、室内でもアウトドア・ワークの気分が味わえるようにしています(もちろん本物には到底敵いません)。

アウトドア・ワークに最適化する

アウトドアオフィス

アウトドア・ワークは適宜素敵な場所に移動して仕事をすることになりますから、必要最低限の荷物にすることも重要です。

私がこういうスタイルに目覚めるきっかけになったのは、会社員時代の海外出張辺りだと思うのですが、思えばあの頃から私はバックパックひとつ背負って数ヶ月の海外出張に行くというスタイルでした。なので、そこですでに必要最低限の仕事環境は出来上がりつつあったのですが、基本的にはLaptop(MacBook Pro)1台のみという感じです。

昔はマウスを使って作業していたこともありましたが、海外出張のようにどこでも仕事することが当たり前になってからは、どんな環境でもマウスは使っていません。オフィスのデスクで仕事をするときも外付けのトラックパッドが基本で、トラックパッドとキーボードでデザインや絵を描いたりといった細かい作業もすべてできるようにしています。

携帯型のホワイトボードを持ち歩いていたこともありました、考え事をするときなどにはやはりそういったアナログな表現ツールが必要なのです。とはいえ今はiPadで代用することが多いような気がします。そのためにホワイトボードと同じように気軽にかけて消せる、「Puddle Sketch」というアプリも開発しました。

Puddle Sketch | Interactive whiteboard app with endless canvas.

これはアイディアスケッチのために作った無限の領域のホワイトボードのようなもので、極力シンプルなツールで素早く動作することを目指して開発したものです。なので、あえてツールの種類や色数は少なくし、絵を描くためのツールではなく、思考を描き共有するためのツールとして作りました。

それから、長時間作業する場合にはモバイルバッテリーの存在も重要です。最近ではPCも充電できるような大容量で強力なバッテリーも多くありますので、それを一つかばんに入れておくと安心です。 ちなみに私が使っているのはHyper Juiceというブランドのバッテリーです。

モバイルワーカーには充電アダプターも欠かせませんが、最近のMacbookのアダプターは大きいのでそれをできるだけ小さい代替のアダプターを利用するのがいいでしょう。RAVPOWERの製品は窒化ガリウムを使ってコンパクトでパワーのあるアダプターを提供しているのでおすすめです。(最近はAppleも窒化ガリウムを使った製品を研究しているという噂は聞いているのですが、早く標準で小さくて軽いアダプターを提供してほしいものです…)

最後に鞄ですが、これはかなり以前よりLaptopが入るくらいの極薄のバックパックを使っています。以前使っていたブランド以外にも最近は似たような製品を作っているところがあり、今使っているのはMinZのThin Pack 2.0です。これはコンパクトでモバイラー向けというだけでなく、電車に乗るときも荷物が他の人に当たることを気にしなくて良いので便利です。

基本的にはこのバックパックにLaptopとモバイルバッテリー、電源アダプター、コード類、変換コネクターハブなどを入れているという感じです(場合に応じてiPadを追加したり、本を追加したりという感じ)

5月は最高の季節!気軽にやってみよう!

ここまでアウトドア・ワークの知見について書いてきましたが、専用のツールを揃える必要はありません。やろうという気持ちさえあればいつでも外で仕事することはできます。

なのでこの最高の季節である5月を存分に楽しんでアウトドア・ワークをしてみませんか?

Kaz Motoyama
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